私たちは自分自身のことを知っていると思い込んでいるのですが、それは全て記憶データに過ぎません。
一日にほんの数分だけでいいので、独り静かに目を閉じて座ってみてください。そして自分は誰なのか、どこにいるのかを見入るのです。
もしも今自宅に戻って寝る支度をして自室でくつろいでいるというなら、それは目を閉じる前の記憶を参照してしまっています。
記憶を全て脇に置いて、ただ今ある自分に見入るのです。何もかも忘れて深く進んでいくのです。
そこに日常的に知っているあの自分はいるでしょうか?そこには誰もいないということに気付いてしまうかもしれません。
そうであるなら、日常あなたが感じているあの不安感も一緒に消えてしまうのではないでしょうか?
もしかしたら全く違う不安に出会うかもしれません。それは自分は誰でもないということに気付いてしまったからかもしれません。
怖くなったら目を開ければ、いつもの自分に戻れるので安心してください。そして安心を得たらまた再び目を閉じて自分の奥深くに入っていくのです。
その誰でもなさ、何者でもないもの、どこにいるでもないことに慣れてきたら、きっとどうにもなりようのない深い安堵がやってくるかもしれません。