いつの頃からだったか、自分のこの人生を一つの物語として見ることができるようになった気がしています。
それはきっと人生と少し距離を置いてそれを眺めることができるようになったからなのだろうと思っています。
物語の主人公としての自分がいなくはならないのですが、その自分とは別のもう一人の自分がいて、そこから見守っている感じです。
皆さんは人生物語は死によって終わりを迎えると思っているかもしれませんが、それは間違いです。
死んで終わるのは一つのエピソードであって、物語そのものは決して終わらずに次のエピソートへと移るだけ。
そしてそれが永遠と続いていくのです。実は物語が終わるのは私たちが知っている肉体の死によってではなく、自我の死によるのです。
物語の中でどんな欲望もなくなり、どんな惨めさも消えていった先に自我は生きながらえなくなるのです。
それは肉体の死とは何の関係もありません。もしそうなったら、物語は終わるのですが、周囲からはまだ続いているように見えるだけなのです。