見方の違い

ものの見方というか視点というのか、そういったものは個人個人で少しずつ違いがあるものかもしれません。

例えばセッションの中で、クライアントさんに対して自分の内側に視点を向けてくださいと言うことがあるのです。

その時に、その意味が分からなくて困ってしまうこともあります。日頃どのように見ているのかによるのですね。

このようなことは、国民性にも大きく影響しているということを最近知りました。日本人と英語圏の人の見方が決定的に違うのです。

日本人は自分がいるところから相手を見るので、そこに自分の姿はありません。ところが、英語圏の人は外側から自分と相手の姿を見ているのです。

つまり、彼らはよく言えば俯瞰しているということです。私たちは自分の国のことを我が国と表現しますが、彼らは our country とは言わないのです。

その代わりに this country というのです。直訳すればこの国という意味になりますが、それは実際には我が国という意味なのです。それだけ視点が異なるのです。

どちらの見方が正しいということでもないのですが、それぞれに良いところとそうでないところとがあるのです。

俯瞰する見方のいいところは、偏りのない全体的な見方ができることです。一方の日本人の見方の利点は、直接的なところです。

ただ残念なことに、私たちは自分の姿が見えないのにも関わらず、そこには相手と同じ姿をした自分がいるというイマジネーションを作ってしまうのです。

その無駄な作業に気づいて、それを排除することができるなら、この世界に個人としての自分はいないということに気づくのです。

それと同時に、この世界全体こそが自分の本質なのだということにも気づくことになるのですね。