昔のことですが、母親が良く言っていた言葉で、「そんなに沢山はいらないから、もう少しお金があったらなあ。」というのがありました。
その頃10代の若者だった私は、随分と欲の少ない人だなあと思ったのを覚えています。普通は、お金はこれ以上はいらない、なんてことはないはずだと。
いくらでも手に入るならもっとあってもいいと思うのではないかと。私はいまだに、10億円あっても100億円あってもいいなと。
もちろんそんな欲張ったところで、決して手に入らない額のことです。ただ、言ってみるのは自由だというだけ。
父親の給料日になると、母親は夕食後に一人で翌月のお金の分配をやるのです。その間は、あまり話しかけてはならない。
普通のサラリーマンの家庭ですから、少額のお金をやりくりするのが大変だったのだろうなと。それでも、そうした一家の采配をするのが嫌いじゃなかったのかなと。
欲の少ない人の方が、貪欲な人よりも幸せなんだろうなというのは、確かなことですね。今ならその理由もはっきりと分かります。
人間の苦しみというのは、求める気持ちが強ければそれだけ大きくなってしまうからです。分かっていても、欲しない、求めないという生き方は難しいものですね。

