「何も変わっていない」のに変わるということ

私たちは人生の中で、何かが変われば楽になれると思っています。性格が変われば、環境が変われば、人間関係が変われば…。

そんなふうに、いつも「変化」を求めているのです。ところが不思議なことに、本当に深い気づきというものは、何かが変化したという感覚とは少し違っています。

むしろ、「あれ?何も変わっていない。」そんな印象を受けることがあります。景色は昨日と同じ。聞こえてくる音も同じ。身体も同じ。

けれど、そのすべてを見ている在り方だけが、静かに変わっているのです。今までは「私が人生を生きている」と思っていたものが、いつの間にか「人生がただ起きている」という見え方へと移っていきます。

何か特別な体験が続くわけではありません。むしろ、とても普通です。風が吹けば風を感じ、鳥が鳴けば鳥の声が聞こえ、お腹が空けば食事をする。

それだけです。しかし、その「それだけ」の中から、余計な重さが少しずつ抜けていくのです。

何かを手に入れたからではありません。何かを失ったからでもありません。ただ、「私が握りしめていたもの」が自然と緩んでいくのです。

だから、気づきとは何か新しいものを加えることではなく、本来そこにあった静けさを思い出すことなのかもしれません。

その静けさは、特別な人だけのものではありません。今、この文章を読んでいる、その気づいていること自体が、すでに静けさの現れなのですね。 by claris

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