注意を向けること

私はこれまでに、約7000回のセッションをやってきました。それらのどのセッションを取ってみても、一つとして同じセッションはありませんでした。

なぜなら、他の誰かと同じ人生を送ってきたクライアントさんが一人もいらっしゃらなかったからです。だから、セッションの内容も、一回一回がその瞬間の成り行きで決まるのです。

きっとこのようになるだろうと予想したところで、セッションがその通りになることは絶対にないと言えます。あくまでも、セッションはその時の流れによって動かされていくのですから。

けれども、私が伝えたいこと、それは勿論自分自身に対してもいつも言い続けていることなのですが、それはそれほど多くはありません。

本当に大切なことは、実はいつもシンプルなのです。それは、「自分や物事を改善しようとする代わりに、今それがどうなっているのかに注意を払う」ということです。

もしも本当に、このシンプルなことが常に実践できるのなら、あなたは神を友達につけることができるでしょうね。それこそが、神と戦わない唯一の方法だからです。

今に注意を向けていることができるなら、あなたは思考と純粋な意識の違いが明確になるはずです。あなたという人物がどうであれ、それが思考の内容物であると気づくはず。

思考はその内容がどんなものであれ、意識の上で飛んだり跳ねたりしているものに過ぎません。それは時間と空間を作りだし、この世界を形作ったのです。

それは、あなたのふりをするでしょうけれど、あなたの本質ではありません。純粋に注意をしていることは、本当のあなたをニセモノのあなたである思考から解放してくれます。

人生という物語を上手に駆け抜けようとしているあなたは、思考の中にいる一方で、本当のあなたはどこにもいないのです。なぜなら、あなたの中にこの宇宙があるのですから。