二種類の無思考状態

私たち人間は、この地球上では最も進化した生物ですね。けれども、冷静に見ると、ひとりの人間の約90%は他の動物と同じなのです。

あなたのマインドの9割は無意識だからです。動物は完全に無意識状態で生きています。だから、人間と動物との違いは、わずかに10%くらいのものなのです。

ときどきクライアントさんに対して、「思考を緩めてできるなら何も考えずにいられるといいのです」とお伝えすることがあるのですが、すると、「それって、ボーっとすることですか?」と質問されます。

無思考の状態には、二種類あると思って下さい。一つは、確かにボーっとする状態があるのですが、これはまさしく動物と同じ状態であると言えます。意識的な部分が何もない状態。子供は時々そうなっています。

子供はまだ動物に近い状態で生きているからですね。まだまだ幼くて、社会というエゴの組織に取り込まれていない場合には、動物のようにのんびりとして、思考のない状態でいられるのです。

無邪気な子供らしいマインドは、精神的な苦しみというものをまだ知らないのですから、羨ましい限りですが、残念なことに当の本人はそのこと自体を意識できないでいるのです。なぜなら、無意識だからです。

そして、もう一つの無思考の状態とは、完全に意識的であるということ。しっかりと目覚めている状態であると同時に、マインドが動かない状態でいるということです。

だからこそ価値があるのです。マインドというのは、そもそも動いているもの、活動し続けることによって生き延びているのですから、動かないマインドというのはその危機的な状態とも言えるのです。

したがって、そんな状態は長くは続けることができません。マインドはすぐになんだかんだ理由をこじつけては、活動を始めるのです。つまり、思考が次から次へとやってきて、私たちを乗っ取ってしまうのです。

だからこそ、瞑想状態ではゆったりしていることができたとしても、日常の生活に戻ってしまうと、あっという間にマインドは活躍し始めてしまうのですね。

無思考でかつ意識的でいる訓練を続けていくことで、いずれは無意識に光が当たり、すべてが意識的になる時、もうマインドは再起することができなくなり、人は光明を得ることになるのですね。

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