役割のローテーション

以前に数種類の講座を開催していたことがありました。ホームページのアップデートをさぼっているので、その頃の残骸をまだ見ることができると思いますが…。

講座の目的としては、例えばカウンセラー養成講座であれば、名前のとおりカウンセラーになっていただくためのものだったりするのですが、実は別の影の目的もあったのです。

それは、役割のローテーションなのです。つまり、いつもクライアントさんとしていらしていただいていた方々に、カウンセラーの役をやっていただくことで、癒しについてのより深い理解を得ることができると考えていたのです。

実際に受講された方であれば、この意味するところを肌で感じて下さったはずだと思うのですが、立場を変えて体験するということの恩恵は、想像以上のものがあるのです。

私たちが日頃沢山抱えている何等かの役割というものがあるのですが、たとえば親としての役割、子供としての役割、上司や部下としての役割、医者と患者等々。

私たちは知らず知らずのうちに、そうした役割を固定化してしまい、自分の役割の立場からしか周りの物事を見ないようになってしまう傾向があるのです。

そうなると視野が狭くなり、相手の立場でものを考えることを省略してしまうことになるため、円滑な人とのつながりに支障が出てきてしまうのです。

カウンセラーがたまにはクライアントになってみたり、教師がたまには生徒として生徒から教えを受けてみたりすると、きっと価値ある経験ができるはずですね。勿論その逆も然り。

妻と夫も互いに、相手と役割を一時的に変えてみることができるなら、何かそれまで気づかなかった相手の隠された苦労などに驚くこともあるかもしれません。

実際にそうしたことができないまでも、イメージの中で相手の役割を疑似体験することはある程度できるはずです。それは、もしかしたら自分にとって都合の悪いことに気づいてしまう可能性だってあるのです。

気持ちにゆとりがある時に、もしも相手の立場を疑似体験してみようと思い立ったなら、是非可能な限り試してみることをお勧めします。きっと新しい発見があると思いますよ。