時間感覚はエゴのもの

人によって感覚は違うかもしれませんが、私は子供の頃は一週間を物凄く長く感じていたのを憶えています。たとえば、大好きなテレビ番組を待つ時間がやたらと長い。

その番組を観終わった直後に、ここから丸々一週間も待たなければならないと思うと、気が遠くなるくらいに感じたものでした。

それなのに、当時父親が一週間があっという間に過ぎてしまう、と度々言っていたのを聞いて、大人はそんなもんなのかなあと思っていました。

それが今この歳になって、本当に一週間が矢のように過ぎていくのを実感しています。年齢によって、時間の感覚はこれほどまでに変化するものなのですね。

けれども、時間感覚はこれ以外にも大きく影響する要素があります。それは、快不快です。あるいは、苦悩と悦びと言ってもいいかもしれません。

苦悩が大きければそれだけ、時間は長く感じてしまい、延々と苦しまなければならないようになるし、逆に悦びの中にいるときには、時間はあっという間に過ぎていくように感じるものですね。

苦悩の中にいるとエゴが強くなるし、悦びの中では逆にエゴは希薄になることを考えると、時間感覚というのは、どうもエゴのもののようです。

それもそのはず、時間は思考の中にしか存在しないからです。思考が落ちて、純粋な意識だけになったとき、時間は消えて、永遠だけが残るのですから。