ハムスターの回し車

手軽に飼える可愛らしい動物として、みなさんもよくご存じのハムスターがいますね。例のあの回し車の中をグルグル高速で走っている姿が印象的です。

彼らが何であの回し車を走り続けるかと言うと、あの小さな身体で何キロも餌を求めて走り回る習性があるらしく、狭い檻の中であれが唯一走り続けられる場所だと理解するかららしいです。

本人としては、餌を求めてどこまでも遠くに遠征してる気分になれているのかもしれません。それが何とも愛おしい感じがしてしまいます。

けれども、あの姿をじっと見ていると、何だか私たち人間の姿とダブって見えてきます。私たちも、何かを求めて遠くへ旅行に行ったりしますね。

何処まで行ったところで、所詮地球の円周上を動き回っているだけなのですが…。また、昨日よりも今日、今日よりも明日はもっと進化した自分になろうと頑張っています。

どれほど頑張って、どんな結果を残すことができたとしても、すぐに人生は終わりを迎えることになるのですが、そうするとまた生まれ変わってもっと自分を改良しようとする。

そうやって、あまたの人生が無限に続くことになるのですが、結果としてどこへも行くこともないし、本人も少しも変わらずにいつまでも人間をやっている夢を見続けているのです。

人間としての進化は、常に水平方向であって、本質的などんな変化もないということに気づかないでいるのです。人間から抜け出すことこそ、その夢を見破ることこそが、回し車からの脱出を意味するのです。

水平方向から垂直方向へのジャンプです。その時、あなたは人間であるという一時の悪夢から醒めて、永遠である本当の自己に出会うことになるのです。