沈黙の勧め

独りだけの空間で静かにして、何もせずにじっと内面を見つめていると、エゴが不活発になるのを感じることができます。

なぜなら、エゴとは人と人との関係性の中に存在するものだからです。たった独りで何も考えることをしないでいられるなら、エゴの使い道がないのです。

エゴはそのスイッチをオフにさせられてしまうのです。エゴが見当たらないと、人はとても気持ちがリラックスしてゆったりとくつろぐことができます。

けれども、ひとたび誰かがその空間に入ってきた途端、それが親しい人であろうと見ず知らずの他人であろうと、エゴは瞬時に電源オンになるのです。

勿論、エゴの活性化の度合いは親しさの深さと反比例します。つまり、気を使う必要のない親しい相手であればエゴは最低レベルとなり、逆に親しくない他人の場合には強くなるのです。

私たちは社会的な存在であるため、どうしても人と関わらざるを得ないのです。その時に、できる限りエゴが活躍しないようにしたいものです。

なぜなら、エゴとは自己防衛の塊りであり、その原動力は恐怖なのです。そこには純粋な愛はありません。だからエゴと共にいて満ち足りるということは原理的にはあり得ないのです。

そこで、社会の中にあってエゴを活躍させないようにするにはどうすればいいかと考えるわけです。一つは、なるべく沈黙していること。

沈黙すると、自動的に思考が緩み、人との関わりも緩慢になるのです。社会の中で沈黙していたら生きていけないと言うみなさんの声が聞こえてくる気がします。

確かにそうですね、人とのコミュニケーションは通常言葉を使うからです。それでも、よくよく自分を観察していると気づくのですが、不必要な時でも言葉を使っていることが多いのです。

話しをする必要は特にないときでも、何か言葉を発生しないと場がもたない気がするとか、相手に失礼な感じがするなどで、不要な言葉を発してしまうのです。

そんなときに、勇気を持って沈黙してみるのです。そして、可能であれば目を閉じることができればもっと効果的です。近くに誰かがいても練習次第でできるようになるはずです。

試しに、明日はいつもよりも沈黙している時間を増やしてみようとチャレンジしてみて下さい。きっと何等かのよい影響があなたの内面にやってくるはずです。

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