「神性」への梯子

人間とは緊張です。自然界で、ずっと緊張している生物など、人間の他にはありません。人間だけが、緊張の中で延々と人生を続けているのです。

動物も一瞬であれば、勿論緊張することはあるのですが、その瞬間が過ぎ去れば、またあっという間にリラックスの中へと戻っていけるのです。

ではなぜ人間だけが緊張し続けるのかと言うと、人間は「自然」と「神性」のちょうど間に位置しているからです。間というのは、言葉を変えて言えば中途半端だということ。

「自然」とは他の動物や植物があるところ。人間の最も最下層の部分はそれと同じ「自然」に属しているのです。その「自然」の中で生を授かり、そこから人生がスタートしたのです。

ただし、そこは単なる出発点であって、2~3歳くらいになれば完全な無意識から意識的な部分が芽生え始めるのです。意識的であるということは、それだけ「神性」に向かっているということ。

残念ながら、意識的な部分は全体の1割程度だと言われているので、残りの9割は動物と同じ「自然」のレベルにまだいるということです。

それでもいくらかは、「神性」に向かって進んではいるのです。その途中にいるために、宙ぶらりんな状態で生きているとも言えるのです。

それが、緊張を生む原因となっているのです。一気に意識的な部分が増えて行くことができるなら、それだけ「神性」に近づくことができるのですが…。

そして意識が100%となったとき、「自然」で始まった梯子の最上段である「神性」へと昇り詰めることになり、そこで自我は消滅して二度と戻れなくなるのです。

その時には、「私」が消えて、その代わりに神が顕われるということですね。

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