癒しを始めて何年か経った時に、今の自分は昨日までの自分と違ってしまったと感じた瞬間があったのです。人生がスタートしてからずっと変わりなくいた自分のはずなのに。
私はそれなりに自分のことを信頼していました。ある程度の理性をいつも持っているし、訳が分からなくなったこともないし、それほど間違ったこともしないだろうと。
そういった自分への評価というものが、急に色あせてしまったような、もうそんな評価は通用しなくなってしまったかのように感じたのです。
ところが、それはこれから先自分はどうなってしまうのだろうという不安が来る代わりに、何かすごく解放されたような清々しい感じすら携えていたのです。
自分で自分を信頼する必要すらない、もっと根本からの自由な気持ちがやってきたのだと思うのです。昨日までの自分とは、確実に一線を画すことになったと感じたのです。
この感覚は今も続いていて、それはきっとずっと続けてきた自己防衛が、もう自分の生き方の中の主要なものではなくなったということなのだろうと。
本当は、自分という存在が継続している必要もないのだということ。そういうことに気が付くと、それまでの信頼が物凄く表面的なものでしかなかったと分かるのです。
今やってきている信頼感は、自分という個人へのものではなく、もっと本質的な「存在」に対してのものへと変わったように感じています。
敢えて言えば、誰でもない自分とそれを見ている自分、更にそれを見ている根っこの自分の存在をも感じているのです。人生は継続しているようにみえて、実は瞬間瞬間のものなのですね。