HSC/HSP と罪悪感

この仕事を始めてまだ間もない頃、中学生の男の子が週一のペースでセッションを受けにやってきてくれていたことがありました。

といっても、セッションをすると言うよりも、ただ一緒に過ごしている中でいろいろな話題に触れたりする程度でした。

彼はいつも少し青ざめたような顔で来るので、気分でも悪いのか聴くと、渋谷での乗り換えの時に決まって気持ちが悪くなるということでした。

典型的なHSC(Highly Sensitive Child)だったわけで、場のエネルギーにやられてしまっていたのを見るにつけ、痛々しく感じたものです。

そういう超過敏タイプの人というのは、相手の気持ちを痛いほど感じてしまうために、どうしても他人の期待に応えようとしてしまうのです。

そうしなければ罪悪感に苛まれてしまうからです。その結果、「いやだ!」というエネルギーが溜まってしまい、それが問題行動を生むことになるのです。

彼がパソコンにちょうど興味を持ち始めていたころだったので、教えてあげようとすると、瞬間的に生あくびをしたりして拒絶モードに入るのです。

人から何かを教わることを嫌っているのがはっきり分かりました。だから、学校の授業にも出ることができなかったわけです。

そういう形で問題行動が表面化していたということです。HSC/HSP の人たちにとって、問題行動はつきものだと考えても差し支えないのです。

マインドの仕組みを理解すれば、こうしたことは当然のこととして受容することができ、ご本人にとっても自己否定から解放される手助けになるはずなのです。