私たちが自我として生きている限りは、欲望と切っても切れない関係にあるのです。実際、欲望を満たそうとするプロセスこそが自我の一生なのですから。
馬の鼻先にニンジンをぶら下げて、ずっとそれをおい続けている姿をイメージすればいいのです。
滑稽なのは、そのニンジンを自分自身でぶら下げて一生そこには到達しないように工夫していることです。
万が一到達してしまったら、瞬時に次なる欲望を設定してまた同じニンジンレースを開始するのです。
その反対に欲望が小さくなっていってしまう方法があるとしたらどうでしょう?自我にとっては不都合なことですが、知っていても損はないと思います。
それは受容することです。人は受容するたびに欲望のエネルギーが小さくなっていくのです。
なぜなら欲望というのは今この瞬間に不満があるということを意味するからです。受容するとは、不満がない状態のことを言うのです。
だから受容すればするほど、不満が小さくなっていき、それにつれて欲望も減っていくというわけですね。
誰もが受け入れてもらえると嬉しいと感じるのは、その瞬間相手の中に自我を感じなくなるからです。それが愛ですね。