耳を傾ける

人の話に耳を傾けるという言い方がありますが、これは傾聴する、つまり熱心にあるいはじっくりと相手の話を聴くということです。

耳を傾ける相手は、何も他人だけではなく自分自身の声を聴くということも含まれます。それが比較的得意な人もいれば、苦手という人もいるはずです。

自分の声という場合は、実際の肉声というよりも心の声のことです。それは言葉というよりも思いと言ったほうが近いですね。

ではなぜ、自分の心の声を聞くのが苦手な人がいるのでしょうか?それは端的に言って、都合の悪い声を聞きたくないからです。

たとえばとても生真面目な人がいて、その人が人の悪口を言ってはいけないと強く思っていたとします。

そんなルールは、心の奥底までは届かないので、深いところでは悪口を言っているかもしれないのです。

その声が聞こえてきてしまうと、自己否定を感じなければならなくなるために、その声をなかったものとしてやり過ごすわけです。

簡単に言えば、そういった防衛だと理解すればいいのです。それが防衛規制としての抑圧です。

都合の悪い声や思いを抑圧すると、その時々は都合が良いのですが、隠された本音が蓄積していずれは大きなエネルギーとなって噴出することになるのです。

そう言ったマインドの仕組みを深く理解して、マインドを丸ごと受け止めることができれば、防衛は緩んできて心の声も聞いてあげられるようになるはずです。

隠してきた自分の本音が色々分かってくると、ショックなこともあるかもしれませんが、それもマインドだと笑い飛ばせるようになるのです。