幼い頃の自己防衛の方法にはどんなものがあるのかなと思って色々思い巡らせていると、やはり最初に思いつくのが感情に蓋をするというものです。
不安、恐怖、孤独、悲しみ、怒り、こういった都合の悪い感情を生で感じてしまうと、辛くて生きていけないので、それを無意識的に抑圧するのです。
ある意味ロボットのようになって生きるということです。これは表面的には非常に本人は楽に過ごせることになります。
感情だけでなく、本音も一緒に隠すので、心のあらゆる苦しみを消すことができるのです。例えば、本能的に持っている親への期待を抑圧するのです。
こちらは感情ではありませんが、自覚している範囲だけでも周囲に期待せずにいることで、不満を持つことがなくなり表面的であれ平静でいられるのです。
ただし、この二つの防衛のツケはいずれやってきます。なぜなら抑圧した感情と本音のエネルギーが、満を持して大人になった本人を裏から操るからです。
その結果、ものすごく怒りっぽくなってしまったり、怒らないではいられないような理不尽さに翻弄されたりするのです。
このようになってしまった場合の癒し方ですが、まずは自分自身のことで怒りや悲しみをしっかり感じられるようにすることです。
しょっちゅう怒っているからと言って、本当に怒りを味わっているとは限らないことを知ることです。感情を効率的に味わうためには、思考を傍に置くこと。
そして日々の自分の内面を見張っていられるように練習することです。そうして初めて、自分の本音と向き合うことができるようになるのです。
瞬間瞬間の感情と本音に気づけるようになれば、生きている感覚が全く違ってくるはずですね。