朝目覚めた時に、なんだか嫌な夢を見ていたなあと思うことがありますね。その状態というのは、もうすでに夢と現実を天秤にかけて、現実が勝った後なのです。
私の経験ですが、夢から現実へと遷移するのがとてもスローな時があって、その場合には本当にグラデーションのようにゆっくりと変化するのです。
いずれの場合であっても、現実が夢に負け続けるということはありません。少し時間はかかったとしても、いつかは現実に目覚めることができます。
けれども、現実の記憶が希薄であったりほとんどなかったとしたら、その時は目覚めた後もずっと夢の中に居続けるしかなくなるのです。
私たちが肉体の死を迎える時にも、これと同じようなことが起きるのではないかと考えています。この現実の世界でずっと無意識的に生きてきた人は、死後もずっと自分の本質に目覚めることができないのです。
そのうちには、マインドのエネルギーが行き場を探して、誰かの子宮の中へと入っていき、また無意識状態のままで新たな人生を迎えるのです。
言ってみれば、新たな夢(人生)の始まりです。一方で、日頃から充分に意識的であった人は、死後すぐに自分の本質である意識に戻るはずです。
そしてひとりでに全体性(意識の海の中)へと溶けていき、もう二度とこの現実という夢には戻らなくなるのでしょうね。