若い頃から、「3歩進ん2歩下がる」という言葉があることは知っていたのですが、どこかで自分には無関係だと思っていました。
せっかく3歩も進んだのだから、2歩下がるなんてありえないと思っていたのでしょう。何歩であろうと、進んだ分を奪われたくないということです。
しかも、奪われることはないとも思っていました。ところがです。年齢を重ねていくうちに、あれ待てよ、となってきたのです。
なんであれ、一直線に進み続けることなんてないのかもしれないと思うようになりましたね。もちろん実体験からです。
たとえば、何かを深く知るようになると、それまで気づけなかったことに気づくようになるために、新たに知る必要のあることが見えてくるのです。
それは後退しているわけではありませんが、キリがないなあということに気づいてちょっと大変だなと思うのです。
癒しについても同じようなことが言えます。セッションを通して、様々な気づきがやってくるのはいいのですが、その周辺がより鮮明に見えてくるのです。
そうなると、新たに癒すべきところが増えてしまったという感じになったりするのです。場合によっては後退したと感じてしまうかもしれません。
私は後退してるわけではないと知るに至りましたが、それでも感覚的にはそう感じてしまうのは仕方のないことですね。
癒しを進めるという表現をつい使ってしまいますが、実際には培ってきたものを手放していく作業なので、元に戻していく作業という方が正確です。
そこに気づくことができれば、進むとか後退という概念とは無縁だと分かって、ちょっと気持ちが楽になるはずですね。