私たちは、自分をもっともっと改善していきたいと思っているのです。なるべく怒らないようにしようとか、一度決めたことは守れるようになりたい等々。
つまりは自分をどうにかしてコントロールできるようになりたいと願っているのです。だからできなかったことができるようになっただけで、すごく嬉しかったりするのです。
けれども、自分で自分をコントロールできる部分なんて、ほんの表面的なところだけなのです。根本的な部分については、ほとんどがアンコントローラブルなのです。
例えば、自分の否定的な自己イメージを変えようと頑張ってもそう簡単に変わるものではありません。
あるいは、毎日1時間くらいの瞑想をしてできる限り静寂の中にいられるようにする、そう決意したところで現実は思うようにはいかないのです。
大切なことであればあるほど、自分を思い通りにコントロールすることはできません。このことに気づく必要があるのです。
ではどうしたらいいのか、それは発想を転換してマインドを見守る側になるということです。仏教用語で言えば、観照するということです。
マインドを観ることでマインドとの距離が作られ、傍観者の立場になるのです。逆に当事者意識がゆっくりと小さくなっていくのです。
マインドをコントロールしようとすれば、それ自体がマインドの一部になってマインド全体が強くなってしまうことに気づくこと。
直接マインドをコントロールしようとすることなく、ただ観照することこそがマインドのパターンから解放される唯一の方法と知ることですね。