多くの人の人生でやっていることの中心にあるものは、自分は惨めではないということを証明しようとして頑張ることです。
それはなぜかというと、自分は惨めだということを認めたくないからです。惨めさの反対側に行こうとしているのです。
ところがその原動力自体は、自分は惨めだという思い込みなので、惨めではないことを証明しようとすればするほど、惨めだということが真実のように感じるのです。
もちろん本人が明示的にそれを感じることはありませんが、マインドの奥深いところには惨めさを隠し持っているのです。
人が死にゆく時にも、惨めじゃないと思いたいが残っているので、その思考エネルギーは身体の死をすり抜けて次なる人生へと入っていくのです。
そして次こそは絶対に惨めじゃない自分になるという欲望が動き出すのです。欲望の根源はそういうものでできているのです。
結局そうした思考エネルギーだけが輪廻するのであって、あなたが輪廻するわけではないのです。あなたという個人がいるわけではないのですから。
もしもあなたがもう生まれ変わるのはゴメンだと思うなら、真っ先にやるべきことは自分の惨めさから決して逃げずにいること。
そして惨めさは事実ではなく単なる思考であることに気づくこと。それが理解できれば、思考から離れさえすれば惨めさは消えてしまうと分かるのです。
惨めじゃないことの証明などする必要がないと分かって、これまでの奮闘努力がバカバカしくなったらしめたもの。
あるがままの自分を受容するようになれば、欲望は薄れていくはず。その結果、輪廻からも解放されてあなたの意識は全体性へと吸収されていくはずですね。