右脳との繋がりを復活させる

さまざまな動物は、その動物に特有の社会を持っているようですね。象にしても猿にしても、それなりの社会を築いて生活しています。

その頂点に立つのが人類である我々です。人間が作り上げた人間社会は、他のどの動物よりも複雑な社会なので、それに見合った脳も発達させました。それが左脳ですね。

左脳の発達の中でも特に画期的だったのは、今目の前にある現実とは異なる想像の世界を作り出し、それを対象にあれこれ考えることのできる力です。

つまり、過去の出来事を思い返す能力、あるいは未来を想像する能力。そこにこそ時間という概念が入り込んできたのです。

右脳にはその能力がありません。だから、右脳はいつも今この瞬間を生きているのです。過去や未来を考える能力を他人と共有することで、さらに複雑な人間関係や社会にも対応できるようになったのです。

その時間の流れの中にこそ、自我という私が存在するのです。私たちは、過去からこれまでずっと変わらずに存在している私は、確実に存在するものと思い込んでいます。

けれども、それは左脳によって時間の流れの中ででっち上げられたモノだったということ。だからこそ、右脳優位の状態では個体としての私というものが薄れてしまうのです。

左脳の申し子である自我は、左脳が投げてくる思考とベッタリと一体化してしまっています。そして、過ぎたるは及ばざるが如しで、元々右脳が持っている全体との一体感を左脳が遮断してしまったのです。

それが現代人である私たちの不幸なのです。満たされた人生にしたいのであれば、外側に求めるのではなく、太古の昔からある自分の中の右脳との繋がりを復活させるしかないということですね。