この身体は借り物、大切にしないと

以前にも書いたことがあるのですが、中学生くらいの時にすごく気に入ったLP盤のレコードを持っていたのですが、姉が貸して欲しいと言ってきたので貸したのです。

しばらくして返してもらった時に、レコード面を見て愕然としてしまったのですが、大切にしていたのに、ガジガジにキズが付けられていたからです。

悲しいやら怒りやらで苦しくて、もう2度と貸さないと誓ったのを覚えています。どうやったら、あんなにひどい傷をつけて返せるのだろうと。

今でも不思議に思うのです。誰だって、人から借りたものは普通以上に気を遣って丁寧に取り扱うのが当たり前ですから。

図書館で借りた本や人から借りた本を読んでいる場合も、自分の本を読む場合に比べて少し丁重に扱うものだなと。

そして借りたものはなるべく早めに返したい衝動が起きてくるのです。なぜなら、借りている間に損傷でもしたら嫌だし、無傷で返したいからでしょうね。

じゃあこの人生が始まった時から、気付かぬうちにお借りすることになったこの身体に対しては、どうなのだろうかと。

私たちはこの身体を自分の一部だと思い込んでしまっているので、借りているものだという感覚を無くしてしまったのですね。

だから、食べ過ぎたり飲み過ぎたり、あるいは運動不足になってしまったりして、身体が嫌がることを平気でやってしまうのです。

本来の自分自身でいるというところから、離れてしまえばしまうほど身体に対してもそのストレスの影響がおよび、身体は悲鳴をあげるのです。

大切な借り物を傷つけてしまったという意識がないというのは、恐ろしいことですね。死ぬときに綺麗な状態のまま返す必要があると思ってないから、雑に扱ってしまうのかも知れません。

自分の身体を借り物だという目で今一度見つめてみると、かなり謝罪しなければならないことがあるように感じます。

身体に対する謝罪とそして感謝、そうした素直な思いをたとえ少しの時間でも身体へ伝えるようにしたいなと思うのですね。

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