この世界に未練はない

朝目が覚めると、それまで夢の中の物語にどっぷり囚われていたのが、急にどうでもいいことになって、現実へと意識が向くのです。

そうやって、夢というのは忘れ去られていくものです。けれども、時々は忘れずに記憶に残っている夢もありますね。

それも内容的にはどうということもないのに、なぜか何かをきっかけとして思い出したりするのです。それも随分と昔に見た夢なのに。

そういう例外はあるとしても、ほとんどの夢は目覚めると同時に興味が薄れて消えていく運命にあるのです。

それと全く同じことが、肉体の死の後に起こるのだろうなと。死ぬと、肉体から解放されてそれまでの物質世界から非物質の世界へと戻るのです。

やっと本当の自分に戻れたという感覚がやってきて、自我として生きた人生という夢物語から急激に興味を失うのです。

もちろん、時には人生物語の特定の事柄に執着が残ってしまったりして、非物質世界に戻りかけながらも、その途中にとどまる場合もあるかもしれません。

これは私の感覚でしかないのですが、父親が亡くなった時には、すぐにこの世界への未練が消えて、あっという間に非物質の世界へと移って行ったんだろうなと感じています。

私の場合もそうなることは確実のような気がします。親子なのでそんなところも似ているのかもしれませんね。皆さんの場合はどうですか?想像してみるのも面白いと思います。