物心ついたころから、ずっと自分は自分の体験ばかりを続けてきたのですが、でもなぜ他の誰かではなくて、あくまでもこの自分なのだろうか、と思ったことはありませんか?
子供の頃は純粋なので、こんなバカげた?ことをちょっと真剣に考えたりするのです。大人になっても、こうしたことを不思議に感じたとしても決して悪いことではありません。
このようなシンプルな疑問こそが、実は真実の方向に目を向けていることにもなるのですから。実際、ずっと自分を続けているというのは、思考によって作られた錯覚なのです。
アニメは、静止画を高速で切り替えていくことで、あたかも動画のように見えるようにしているのですが、ある意味それと同じようなことがこの世界でも起きているのです。
私たち自身は継続しているわけではなく、瞬間瞬間に起きていることが、連続した流れのように見えているのです。人生という流れがあるわけではないということです。
つまり、自分がずっと自分をやっているというのは幻想なのですね。次の瞬間、他の誰かであってもいいし、オランウータンでもいいのですが、そのことに気づく術がないだけです。
一人ひとりに個別の中身があるわけではないからです。あなたの身体と、その周りを取り囲んでいる空間との境目などというものも、実際には存在しません。
この宇宙には、どんな境界もありません。すべてが有機的な一つの統合体なのです。だから、私はあなたであり、あなたは私でもあるのです。