勝ち組、負け組

会社を退職して、今の仕事を始めてすぐの頃に、ある人にあなたは負け犬だよと言われたことがあります。企業の中での激しい戦いに負けて、尻尾を振って逃げ出した負け犬なんだと。

自分では全くそういった気持ちはなかったのですが、言われたらなるほどそういう見方もあって当然なのだろうと新たな発見をしたのを覚えています。

そして最近では、負け犬よりももっと一般的に使われる言葉として、勝ち組、負け組という表現をすることが増えているようですね。

基準はよく分かりませんが、人生の成功者とそうでない者とに分けるということなのでしょうか。人生というと大げさかもしれませんが、例えば女性の場合ですと誰もが羨むような男性と結婚をすれば、きっと勝ち組と言われるのでしょうね。

このような言葉は軽薄なものだと知りつつ、面白がって使っているのが今の日本の文化なのかもしれません。でももし、この言葉で自分を表現するとしたら、あなたなら一体どちらになると思いますか?

大切なのは、人が自分をどう評価するかではなく、自分が自分をどう評価しているかということです。それともう一つ、一番大切なことはその評価の基準ですね。

私のコラムやこのブログを読んで下さっている方であれば、もうお分かりだと思いますが、人生で価値のあるのは唯一つ、心が満たされていて平安であるということ、つまり真の幸福感なのです。

ですから、敢えて勝ち組か負け組かの評価をするとしたら、この幸せかどうかでしか判断することはできないのです。そして、それを評価できるのは唯一自分だけということになります。なぜなら、本当に幸福かどうかは決して他人には判断できないからです。

会社員時代、私は自分のことをそこそこいけてるんじゃないかと思っていました。それは、他人から見た一般的な評価基準で自分を見ていたからでした。でも今はそういった物差しでは全く自分を見なくなってしまいました。

世間の評価では、きっと今の私は負け組になるはずです。そして、実際にそう言われたとしても全く気にもなりません。それは、自分を内側から見つめて自分のことが分かっているからです。

そして、真の幸せを評価基準にした途端、もう他の誰のことも勝ち組か負け組か言えなくなってしまいます。そうなったときに、初めて自分はまっとうな判断基準を手に入れたのだなと思って下さい。そして、その目で自分を内側から見てあげて下さい。

今の本当のあなたの姿が見えてくるはずです。