母親からの洗脳

もうかなり前のことですが、オーム真理教に入信してしまった娘さんを、力づくで奪い返しに行った父親がいましたね。

そんな強引なことをしてもいいのか、あるいはできるのかと思ったことがありましたが、結果としては奪還できて本当によかったということです。

自分がその親の立場だったら、どうするだろうかと考えさせられてしまいます。クライアントさんの中には、実の親に洗脳されて育ってしまった人が時々いらっしゃいます。

親といっても、大抵の場合は母親であると言えます。それはきっと、父親よりも母親との結びつきが子供は圧倒的に強いからでしょうね。

母親からの洗脳というのは、そんじょそこらの宗教などよりもよほど強力な洗脳をすることができるのです。それは生まれたときからずっと一緒にいて、子供は親に100%依存せざるを得ないからです。

セッションの中で、クライアントさんがどのくらい深い洗脳をさせられているかということを見極めるのは、そう難しいことではありません。

しかし、クライアントさんご自身が洗脳されているという自覚がない場合には、癒しを進めるのは至難の業となってしまいます。

なぜなら、洗脳の結果が今の人生の苦悩や不自由さを作っているということを、分かってもらえないからです。

ご本人が自分が受けた洗脳を客観視することがある程度できる段階までになっている場合には、少しずつですがその洗脳を解いていくことができます。

ただし、幼い頃から一貫して受けてきた洗脳は、心の奥深くにあって強烈に大人の理性的な自分をコントロールしようとしてきますので、自由になるのはそう簡単なことではありません。

でもあきらめずに、心の中の様々な声に耳を傾けて、洗脳された沢山の意識を受け止めてあげることが大切です。そうやって、一つひとつ自由を勝ち取って行くことです。