時々ですが、クライアントさんと頭の中心についてのセッションをすることがあります。頭の中心に、とてもプライベートな自分だけの空間があることをイメージしていただくのです。
どんな空間でもいいので、自由にイメージを作っていただき、それが広いのか狭いのか、きれいな部屋なのか、汚いのか、そうしたことを見てもらうのです。
その空間の中にどんな自分が陣取っているのか、こうしたイメージというものでそのクライアントさんが自我をどのように作ってきたのかということをある程度知る手がかりとなります。
侵略的な親に育てられると、部屋がとても狭くなってしまっていたり、部屋とは言えないくらいのご自身の身体にぺったりとくっついているようなこともあります。
また、広さはある程度あっても、その中に自分以外の何者かがいたり、いらないようなガラクタが置いてあったりすることもあります。
こうしたものは、すべてその空間から外に出すことが是非とも必要です。それは自覚のあるなしに拘わらず、誰かによって強引に自我の空間を侵略されたことを意味するからです。
自分の心が我に帰ったいい状態のときには、広さも明るさも心地のよい空間としてイメージすることができるようになるものです。
一度そうした状態になれたとしても、また我を忘れてしまうと邪魔なものに乗っ取られることになる可能性もあります。
いつも折りに触れて、その自分だけの空間が居心地のよい、そして外敵から苦労することなく自分を守れるようになっているかどうか、チェックしてみるといいと思います。
そしてなるべくなら、ど真ん中にどっしりと、自分が立派な椅子に腰掛けているイメージを持てるようになることです。
そうしたイメージが固定化されていくにつれて、不安な心も次第に落ち着きを取り戻していくことができます。そしてその後は、きっと空間が広がって無限の広がりそのものが自分だったと気づけるようになると思います。