自分を憎む意識

ごくたまに、自分のことを心底憎んでいる人がいます。これは、単なる罪悪感という言葉では言い表せないくらいに、感情が歪んでいるのです。

思い切り否定しまくりたいし、惨めで情けなくてどうしようもない矮小な自分がいて、どこからも助けてなどあげる気もしないひどい自分なのです。

地球上に住んでいる人類すべての中でも、相当に下位グループに属しているくらいにどうしようもない自分を感じているのです。

なんでそれほど、自分を憎むようになってしまったのか、その憎しみさ加減はすさまじいものがあります。でも冷静に見つめて見れば、意外にシンプルな理由があるということに気づきます。

自分を蔑む気持ち、自分なんて最低で駄目な奴だと思っている意識というのは、実は自分を守ろうとする自己防衛の一つなのです。

以前からこのブログでもお伝えしているのですが、怒りなどの感情を含めて自分の本音を隠そうとするときに、いくつかの方法があるのですが、その一つに罪悪感があります。

自分をどうしようもない駄目な存在なのだと信じることによって、本音をしまいこむことができるのです。他にも、相手への恐怖や相手が可愛そうと感じる気持ちなども本音を抑え込む力があります。

その中でも、激しい自己嫌悪、自己否定、罪悪感によって、怒りを覆い隠そうとすることはそれほど稀なことではありません。

異常なほど自分自身に対して、激しい憎みの気持ちを持っている場合、それによって他者への強烈な怒りを感じなくするという大きな目的があるということです。

簡単に言えば、誰かへのひどい怒りを抑え込むために、その怒りの矛先を自分に向けてしまった状態であるとも言えるのです。

だからこそ、そうした人の怒りは尋常ではないくらいに大きなものとなっていることが多いのです。私が怒りを開放して欲しいと思っても、ひどい自責の念に邪魔されてそれが叶わないという事態に陥っているのです。

それでも、少しずつあきらめないで感情を味わう練習をしていくうちに、どこかからヘルプがやってきて本当の感情を味わうこととなります。

自分を思い切り責めてきたと実感している方、もしも思い当たるという場合には、本音をみないようにするためだったのだということに気づくことが大切なのです。