人にはそれぞれの事情がある

世の中には、同じ人間なはずなのに本当に様々な人たちがいるものです。それも、到底自分には理解することができないという場合も多いですね。

街ですれ違う、何か口の中でブツブツ文句のようなことを言っている人がいるかと思えば、交差点を止まりもせずに突っ切ろうとする自転車の人。

奇想天外な危険な挑戦をし続けている人、何も食べずにずっと健康で生き続けていられる人、人への迷惑をモノともせずに騒音を出す人。

挙げ出したらキリがありません。けれども、どんな人のどんな行動も、どんな考え方であっても、よ~く見てあげればごく普通の思考を使ってなるほどと納得できる理由があるものです。

自分という個人がこれまで経験によって得てきたものなど、地球上の70億人のすべての経験からしたらゴミのように小さなものです。

私たちは、そのほんの取るに足らないような体験を通して、周りの人たちのことを評価して、善悪や正不正を判断して裁いてしまいます。

その人にはその人なりの事情というものがある、ということを忘れずにいられると、そこそこ心を広げてやさしい目で相手を見てあげることができて、自分がその分だけ楽になります。

でもね、心の癒しを進めているときには、そのことは一旦脇に置いておいてください。

「幼い頃に親からされた虐待や考えられないような仕打ち、思い出したくもない理不尽な相手の行為にも、実はそれなりの事情がある」というところに目をやってしまうと、本当の感情が隠されてしまうからです。