人生という物語を観照する

私は高校生になった当たりから、突如として洋画を沢山観るようになったのです。あの当時は、確かロードショーでも500円で観れた時代でした。

それほどこずかいをもらっていたわけではないので、毎月何本も観るということはできなかったのですが、それでも工夫して少し古い洋画を2本立てなどで安く観たりもしてたのです。

大人になってからは、わざわざ映画館に足を運ぶということが少なくなってしまい、仕事が超多忙ということもあってか、ほとんど洋画を観なくなってしまいました。

それが、最近ではネットでいくらでも観ることができる時代になったおかげで、夜になると今日は何を観ようかなと検索するのが楽しみになっていたりします。

自分の好みの映画に当たると、とても嬉しくて、その余韻を楽しみながら眠りに落ちるのですが、その逆の場合には一体どんな意図でこの映画を作ったのだろうと疑問を感じたりもするのです。

けれども、最近分かってきたことがあるのですが、それはどれほどの感動や驚きを与えてもらった映画であったとしても、それほどの影響を受けることがなくなってしまったのです。

心のひだに触れるような繊細な映画が好きですが、それでも本質的に影響を受けるということがなくなってしまいました。長く生きるということは、そういうことなのでしょうか?

どんな映画でも製作者の側からしたら、大変な苦労と時間をかけて作ったものだろうと思うのですが、観る側としては一年も経てば結構忘れてしまうものなのですね。

これから先、死ぬまでにどれだけの映画と出会うことができるのか分かりませんが、自分の人生も退屈ながら一つの物語であるという認識を持って、生きていけたらいいなと思うのです。

あなたの物語はどんなものですか?それを身近で観照し続けることができるといいですね。