癒しを進めて行くと、いわゆる好転反応と言われる現象が起きてくることがあります。好転反応と言えば聞こえはいいですが、もっと簡単に言えば元の状態に戻そうとする強力な力であるとも言えるのです。
癒しによって、毒出しが始まると、この時とばかりに今まで溜め込んできたものが一気にどっと出だすということもあって、身体は悲鳴をあげてしまうこともあります。
そうなると、それまであまり体験したことのないくらいの肉体的な苦痛を味わうことになったりもするのです。それは、毒出しでもある一方で、その苦しみによって癒しを中断させるという目的もあるのです。
エゴが作り上げてきた生き方、自分を戦わせて苦しみの中に置き続けようとするやり方、辛く苦しい重荷を背負って険しい上り坂を登ろうとする生き方が緩んでくることを、妨害しようとするのです。
癒しは、エゴにとっては大敵だからです。エゴ自身の存続がかかっていると分かっているため、命がけで癒しを阻止しようと企んでくるのです。
私自身も何度もまんまとその餌食となったことがあります。私の場合は、いつも身体への苦痛としてやってくるのですが、人によっては身体に限らず精神的な面への影響もあるはずです。
人生を好転させるためとはいえ、ご本人の身になったらさぞ辛いだろうと思うのですが、それで癒しを中断するかどうかはご本人の意志に依ることですね。
癒しはいつでも再開できますので、焦らずに無理をせずにゆっくり身体を労わってあげることも必要なことです。潜在意識の中に組み込まれているエゴの機能は、相当に強力ですので、まともにぶつかったらひとたまりもありません。
そのことを、肝に銘じてよく覚えておくことです。だからといって、エゴを敵対視してはいけません。敵対視すること自体がエゴのやり方だからです。
エゴに対して一番いいのは、反応しないことです。エゴからの命令にそっぽを向き続けて、相手にしないことが最善の方策なのです。
例えば、エゴが投げかけてくる無数の思考に対しても、その存在をただ見ることによって、思考に巻き込まれないようにすることができます。
敢えて思考を止めようとすれば、それこそが新しい思考を生み出すことになってしまうのですから。エゴの存在をよく見て、それに気づいていて、それを相手にしないというやり方によって、エゴは確実に弱っていくものです。