女性性への期待

セラピストの仕事を始めてから、もうすでに7000回になろうとする数のセッションをやってきました。その中で、まったく変わらないことがあります。

それは、女性のクライアントさんが男性のクライアントさんに比べて、圧倒的に多いということですね。正確な数値は調べてないですが、きっと全体の7~8割は女性だと思います。

まさか、男性にくらべて女性の方がいろいろ辛い人が多いのだというわけではないでしょう。まったくそうは思えません。ではどこに違いがあるのでしょう?

それはきっと、女性の方が自分自身のことに気づいているということだと思うのです。男性は、意識が外側へと向かってしまう傾向が強いのです。

男性というよりは、男性性と言ったほうがいいのですが、性別に限らず、男性性が優位である人は、間違いなく外へ外へと意識が向くのです。

彼らは何かを成し遂げなくてはならないからです。親からも社会からもそのように教え込まれたという事実も加担しているはずです。

けれども、本質的な部分で男性性とは攻撃性なのです。外へ向かってエネルギーを放出して、どこかへ到達しようとするのです。何かにならなければならないのです。だから、時間がないのです。

一方、女性性は意識が内側へと向く傾向にあるのです。だからこそ、自分の現状を男性よりも深く把握しているはずなのです。だから、セラピーにも来やすいのでしょう。

女性性は男性性のような目的を持ちません。だから、話しにオチがなくても一向に構わないのです。話すことそれ自体が目的のような、要は無目的での会話を楽しめるのです。

目的がなければ、どこかへ到達することもないし、何かを成し遂げる必要もあるはずがありません。急がないのであれば、時間感覚が乏しくなって当然です。

この世界を見渡す限り、男性性が支配している社会がずっと続いてきたのですね。だからこそ、頑張って成果を出して、何かを成し遂げなさいという教育を受けてきたのです。

だからこの世界は生きづらくなってしまったのです。受容する能力の高い女性性がメインとなる世界が早く来ればいいのにと思うのは、私だけでしょうか?