問題行動を疑ってみる

私たちのオリジナルは、無邪気な心を持った愛の塊りのような存在です。誰でも、幼児の頃にはそうやって生きていたのですね。その頃は、屈託がなく自由で、ある意味我が儘でいられる大切な時期だったのです。

けれども、早晩そんな自由は許されないよという強力なメッセージを、毎日浴びるようになってしまうのです。そうして、気が付いたときにはすっかり社会や親からのルールが、本人の潜在意識へとしまわれるのです。

山奥に一人で暮らしているわけではないので、人としての常識的なルールを教えてもらうのは当然のことなのですが、それが行き過ぎてしまうと、その子供の心は強力な自我に乗っ取られてしまうことになるのです。

親からの激しい強制があるとするなら、そこにどんな子がうまれたとしても、必ず自我は肥大化してしまうことになるはずです。それは避けられないことです。

幼い子どもは無防備であり、弱い立場の中で親に100%依存しなければ生きてはいけないのですから、親からの力いっぱいの強制に順応しようと必死になるのです。

そうなると、オリジナルな部分は完全に心の奥深くへとしまわねばならなくなるのは言うまでもありません。そこに強い恐怖があれば、親からの洗脳は完全なものになってしまうでしょう。

すると、オリジナルな部分は深い部分から反撃を開始するようになるのです。それが問題行動です。問題行動とは、オリジナル部分の不満が、本人の自覚をすり抜けて表へ出てくるものなのです。

自由が奪われているという鬱憤を、あの手この手を使って親に知らしめようとするということです。ただし、潜在意識がその役を担っているので、本人にはその自覚がありません。

幼いころからの抑圧があまりに激しすぎると、そうした問題行動は多岐に渡るようになり、最終的には本人の人生を犠牲にしてまでも続けようとするようになります。

つまり、人生の悦びや幸せを台無しにすることで、その苦しむ自分の姿を親に見せつけることで、自分の鬱憤を訴えようとするということです。

問題行動は、そのようにして人生を破壊するかもしれません。問題行動を、意志の力で止めることはほとんどできないと言っても言い過ぎではありません。

仮にできたとしても、元となる原動力がそのままであるなら、また別の問題行動を引き起こすことになるだけで、人生は益々苦しいものになるはずです。

もしも、あなたが自分のやっていることは問題行動かもしれないと感じるなら、なるべく早くセラピーを受けることをお勧めします。