思い切りぶつかっていける幸せ

日本人であれば、誰でも一度は相撲部屋の稽古を見たことがあるはずですね。まだ若い力士が、大関や横綱といった力士に思い切りぶつかっていくあの姿を。

彼らは何の躊躇も遠慮もすることなく、全力で強い先輩の力士の胸を借りて稽古に励むことができるので、少しずつ強健な力士へと育っていくわけです。

実は子供の場合にも同じようなことが言えるのです。何の心配も遠慮もする必要なく、ドーンと親の胸にぶつかっていくことができれば、無邪気さが抑圧されることなく、すくすくと成長していけるのです。

けれども、子供の側に親に対する何等かの心配や不信などの気持ちがあったなら、たちまちのうちに子供はみずから無邪気さを抑え込むようになっていくのです。

それはたとえば、親が大変そうだとか、忙しくて心の余裕がないとか、親の心がまだ未熟で脆かったりすれば、子供は甘えるどころかその反対にケアをしようとするのです。

思い切りぶつかって甘えることができなければ、子供は大切な無邪気さを充分に使うことができなくなるのは当然のことですね。

そうなると、子供は自分のことよりも相手(親)のことを気にするようになって、知らぬ間に自己犠牲を繰り返すことになるのです。それは当然、怒りの蓄積へと続いていくことになります。

もしもあなたが、幼い頃に存分に親に甘えて、彼らの胸に思い切りぶつかっていった感覚が乏しいという自覚があるなら、必ず何らかのわだかまりが残っていて、怒りや不安がたまっていると思って間違いありません。

その場合には、理にかなったセラピーを受けることをお勧めします。