「ただ見ること」こそ真の瞑想

私の知る限り、最もシンプルなのに継続するのが最も難しいこと、それは「見ること」です。解釈や判断なしに、ただ見ること。

どんなクライアントさんがどんな問題を抱えていらしたとしても、本当に伝えたいことは、実はこれ以外にはないのです。

けれども、内容があまりにもシンプルなので、説明するにしても一分でおわってしまうので、セッションにならないのです。

クライアントさんが求めているものは、明らかにこんなことではないと分かっているので、具体的なことをお話しすることになるのです。

その具体的なこととは、例えば「人はこうあるべきという考えを捨ててください」とか、「ノーを言えるように練習してください」とか。

あるいは、都合の悪いことから目を背ける代わりに、そこから逃げずに感情をしっかり味わって下さい等々。

クライアントさんと二人三脚で一生懸命心の癒しを進めていくのです。それは勿論、それなりの効果が出て、クライアントさんは楽になっていくのです。

けれども、どこかの時点で「ただ見ること」を思い出して欲しいのです。癒そうがそれをやめようが、どちらにしてもエゴの世界なのです。

ただ見ること、意識的であること、気づいていること。それ以外は何をしても、何をしなくてもいいのです。素晴らしい自分でも、ダメダメな自分でも何でも構いません。

ここで言っていることは、2時間瞑想することよりも、よっぽど難しいことなのです。瞑想して、思考を止めようとするのがエゴであり、そんな自分をただ見ること、それが真の瞑想なのです。