最良の対処は対処しないこと

対処しないといっても、何でも構わずにそのままにしておくという意味ではありません。怪我をしたら必要な処置をするといった物理的な対処はするべきです。

ここでいう対処とは、主に心理的な対処のことを指すと思ってください。例えば、遅刻しそうなときに物理的に急ぐのは理にかなっていますが、心理的に急ぐ(焦る)ことは無駄だということ。

スポーツの試合中に、有利に進めている時はいいのですが、風向きが変わって相手が有利になりつつあるとき、何とかしようとすれば余計に身体に力が入って、結果は悪い方に向かうのです。

心理的な対処、つまり「なんとかして◯◯」というのは、起きていることが自分にとって都合が悪いときにやってくるマインドの働きなのです。

マインドというのは、そもそも信頼が分からないのです。思考には信用するか、信用しないの二つしかないからです。

信頼はマインドの外側にあります。日頃から信頼に意識を向けるようにしていると、むやみに心理的対処をしないでいられるようになるはずです。

あるがままを見守るという態度、これが対処せずにいるということ。慌てたり焦ったり、どうにかして、なんとかして、というマインドの嵐から距離を置く生き方。

日頃から対処しようとしているマインドに気づき、それを見守る練習をすることですね。