執着は手放せない

心を癒していくときに、巷でよく聞く言葉として「執着を手放す」というのがありますね。執着はよくない事だということで、そう考えるのかもしれません。

けれども、その言葉は原理的に矛盾しているのです。なぜなら、執着というのは本人にとって必要なもの、それなしでは自分が成立しないものを指すからです。

言ってみれば、外側にあるはずのものを自分の内側に入れてしまい、それ込みで自分なのだと思い込むのです。

誰しも、自分を手放すことなどできないのですから、執着も手放すことなど決して不可能なことだと理解することです。

つまり執着を手放すことができるなら、その人はその段階で覚醒してしまうくらいなのです。だから、あなたが執着を手放せないと自覚していても安心してください。

それはマインドにとっては当然のことだからです。何度も言いますが、執着は手放せません。ではどうしたらいいのでしょうか?

方法はたった一つ。執着するマインドをしっかり見続けることです。マインドに対して直接手を下そうとするなら、それこそがマインドの働きなのです。

だからマインドに対しては何もせずに、ただ見守るのです。常に注意してその仕組み、その働きに気づいていてあげること。

それによってのみ、絶対に必要だと思っていたものがそれほどでもなかったということに自然と気づくようになるのです。

バカバカしいもの、くだらないものだったと気づくなら、それは自然と内側から出て行ってくれるのです。

それこそが手放された状態ということですね。