クライアントさんの中には、自分が生まれてきた理由を知りたい、あるいはこの人生での本当の目的を知りたいという人が時々いらっしゃいます。
そういった疑問を感じるその気持ちはよく分かります。それは、残念ながら自我というのは目的、目標なしにはどうしていいか分からないからです。
はっきりとした納得できる理由があれば、厳しく辛い人生であろうといずれは報われるという救いらしきものがそこにありそうに感じるのです。
だから何とかして自分を納得させたいのです。なぜ、いまこれほど上手くいかないのか、なぜいつも虚しくて満たされない状態が続いているのか?
一時的であれ、不満を感じる暇もなければ、何の疑問も感じることがないのです。けれども明確に言えますが、人生には本質的には何の目的もないのです。
自我が聞いたら喜びそうな、生まれてきた理由などどこにもありはしないのです。なぜそんなことが言えるのかというと、人生で何を達成しようとすべてはいずれ消滅すると決まっているからですね。
それでも百歩譲って、一つだけ目的があるとするならそれは気づくこと。生きている間に自分の正体を見抜くこと。
自分の本質に気づくことは、永遠だからです。たとえこの宇宙が消滅してしまっても真実はただ在り続けるからです。