私にとって、本当に嬉しい気持ちになれるときというのは、自分の希望が叶ったときよりも、心から救われたと思えるときでした。
それだけマインドというのは安心したいのですね。マインド(自我)として生きている限り、不安がなくなることはないからでしょう。
喜びがやってきても、嬉しくてたまらない瞬間がきても、またすぐに不安は戻ってきてしまうのです。
その不安を根底から打ち消してしまうようなこと、それに気づいた時には心のそこから救われるのです。
私にとって、それは「すべては過ぎてゆく」ということなのです。自我としての自分が永遠に続くとしたら、それはもう地獄です。
けれども自我は必ず消えていくのですから、旅の恥はかき捨てとばかりに生きていけばいいのです。そう思うととても気が休まるのです。
人生でどれほど辛いことがやってきたとしても、耐え難いことが繰り返されたとしても、どんなものも一様に過ぎ去っていくのです。
それがとてもとても安らかな気持ちにしてくれるのです。そのことを思い出せば、あらゆる深刻さも吹き飛んでしまいますね。