シンプルさを取り戻す

幼い頃、何もかもがとてもシンプルだったのです。毎日の中に複雑さなどどこにもありませんでした。

ただそうしたいからする、面白そうだからやってみる。そこにはどんな目的もなかったのです。

ところが自我の発達とともに、ひとたび目的ができてしまうと、それを達成するためにシンプルさから遠ざかってしまうようになるのです。

なぜなら、目的達成という未来に気持ちがいってしまうために、ちょうど今をどう楽しむかということにエネルギーを使わなくなってしまうからです。

だから複雑になっていくのです。せっかく自分を楽しませてくれるものが今この瞬間に満載なはずなのに、そういったものが色あせて感じられてしまうようになるのです。

ちょうど今が犠牲にならなければ、目的を達成することができないという生き方になってしまうのです。

こうしたことに気づいて、過去や未来よりも今を大切に、今感じていることがすべてだと思って生きようと思っても、これまでの習慣が邪魔をするのです。

残念ながら、自我は今この瞬間を愉しむことができないのです。だからすぐに過去か未来へと気持ちが向かってしまうわけです。

そんな自分の自我の習慣をただ見ていてあげるという練習をすることです。そしてそれを楽しめるようになったら、結果としてシンプルさを取り戻すことができるかもしれませんね。