依存–共依存の強固な関係

数十年前くらいに、アメリカでアル中患者がたくさん世の中にいることが分かって、厚生するための施設も沢山作られて、回復する人も多くなったのです。

ところが、施設の生活で完全にアルコール中毒から抜けてきれいな身体となって自宅に戻ると、しばらくしてまたアル中の症状が出てしまうのです。

再度施設で厚生するも、自宅へ戻るとまた元の木阿弥という現象が続いたのです。困り果てた末に原因を詳細に調査した結果、驚くべきことが判明したのです。

それは、アル中のご主人を抱えた奥さんが一番の被害者であったはずなのに、何と奥さんと暮らすことでアル中は再発したのです。

実は奥さんのマインドの中に、依存者を必要とする部分があることに気づいたのです。それを共依存と呼ぶことになったのです。

つまり、共依存とは依存者に依存するマインドのことです。共依存は、それまであまり知られていなかったので、本当に驚かされたわけです。

自分がいなければこの人はダメになる、私が何とか頑張って面倒を見てあげなければならない、そういうことで自分の存在価値を見出そうとするマインドなのです。

もしも共依存の親に育てられたとしたら、その子はどうなるでしょうか?子供は敏感なので親の期待に応えようとして、親に依存することになるのです。

そうやって、親子の間での依存−共依存の強固な関係が成立することになるのですが、子供は自分の人生を台無しにすることになりますね。

共依存者は、全く自覚のないまま依存者をコントロールすることで、依存者のままでいさせようとするのですから、恐ろしいものです。

ほんの少しでも思い当たる節があるなら、その部分から目をそらすことなくしっかりと癒しを進めていく必要があるでしょうね。