特別でありたい病

自我というのはすべからく、自分は特別でありたいと願っているのです。特別であることに猛烈に魅力を感じるのです。

それはなぜでしょうか?特別であることによって、自分という存在が際立つことになるからです。それは不自然なこととも言えますね。

自然というのはあらゆるものがあらゆるものと融合して、特定の特別さのないごく普通の世界なのです。

したがって、自然の中で溶けてしまえば、自我は存在が消えていってしまうということを知っているのです。

自我の持っている唯一とも言っていい根本的な望みとは、自分は存在しているということを証明し続けることなのです。

その理由も簡単、それは本当のところ自我という存在はないからです。実在しないからこそ、存在しているという思いを維持しつづけなければならないのです。

だから特別でありたいと常に渇望しているというわけです。ひとかどの人物であろうとしたり、一番であることにこだわったり。

誰よりも愛されたいと願うのも、特別視してもらって安心したいのです。それがどれほど不自然なことかに気づくだけでも、自我はその力を失っていくことになるのですね。