子供の頃に様々な理由により、安心できる場所、安全な場所がないと感じて生きてきた人が沢山います。
人は安心してくつろげる空間が絶対的に必要なものです。だからこそ人生を生き抜いてきた先には、安住の地を探そうとするのです。
けれども、本当はそんなものはどこにもありません。どれほど安全だと思ったとしても、自然の力にかかればあっという間に破壊され得るからです。
もしも外側には安住の地などないと悟ってしまうなら、その時には自己の内側にこそ安住できるようになるのです。
そしてどんなものにも執着しないでいられたなら、その時に初めて内側から安心が広がってくるのです。
なぜなら、外側のものというのは常に一過性のものでしかなく、また自分が期待するようにはそばにあってはくれないからです。
執着が小さくなればなるほど、今度は自分自身の内側にくつろぐことができるようになるということですね。
こうしたことが理解され、それが次第に実現できるようになれば、安心を求めることをしなくなり、その結果自我は静かになっていくのです。