昨日のブログでは、自我はただそれのみで生きることはできない、ということを説明させていただきました。
今日は、それをもう少し深掘りしたいと思います。自我それ自身だけでは生きられない、成立しないとはどういうことか?
つまりは、自我というのは自分が個として存在していると思っている存在ですが、それは自の反対である他を必要とするということ。
自他という言葉があるように、自と他はこの二元生の世界における二元対立の代表のようなものです。
自が存在するためには、他が絶対的に必要だということ。もちろんその反対も然り。私たちにとって、他というのは他人でありその他の一切合切の自分以外の存在を意味します。
けれども、他が自分の存在にとって不可欠だということを普段は忘れているのです。無人島でたった独りでも生きていけると思っている人もいるかもしれません。
それはそれまでの他とのあらゆる関わりによって作り出された自分をベースに生き延びることができると言っているに過ぎません。
そもそも自我というのは他人との関わりの集合によって出来上がっているのです。そのくせ自分は他人とは分離していると思い込むのです。
これが自我の真骨頂ですね。自我の本当の姿とは、自と他の間の関係性の中にあるのですが、個として存在したいのでそのことを忘れるのです。
もしもあなたが消えたとしたら、この世界からあなたにとっての全ての他(他人や他のもの)も同時に消失するということです。
このことの深い理解をすることで、日頃ムカついてしまうような他人や外での出来事に対しても、自分の存在を支えてくれているものだと思うと、少しは気持ちが穏やかになりますね。