気づくということ

気づきというのはとても不思議な現象ですね。一般的に言えば、気づくということは知らなかったことを知るようになるという意味です。

けれども、ここで言う「気づき」というのはそれとはだいぶ意味合いが異なるのです。一番の差異はなんなのか?

それは元々知っていたものなのに、それに対して新たな気づきがやってくるということです。ではなぜそのようなことが起きるのか?

それは、知っているということに秘密があるのです。私たちは知っているということを誤解して覚えているのです。

実は知っているというのは、そういう情報があることを知っているということであって、そのこと自体を知っているのではないということ。

ここがミソなんですね。知識として知っていたことに対して、腹の底から腑に落ちるという状態になること。

これこそが気づくということの本当の意味なのです。何度も繰り返し同じ本を読んでも、その度に入ってくるものが変化するというのも同じことです。

自分の顔が見えない状態で周囲を見ている時、自他の二元対立を思い出せば外側だけが見えているということは起きないはず。

そのことは知ってはいたのですが、今朝クルマを運転していてそのことが気づきという形でやって来たのです。自も他もどちらも真実ではないということ。

とても新鮮な体験をしたという感覚ですね。ただし、気づきというのは自分の中に定着させて初めて意味があるのです。

大切な気づきがまた消えていってしまわないように、繰り返し練習する必要があるということですね。