マインドへの理解を深める

クライアントさんとセラピストである私の違いは、セッションの時に立場の違いがあるということを除けば、ほとんど同じだと言っていいと思います。

ただ一つだけ、ここが違うのかもしれないという点がありますね。それはやはりマインドに対する理解の深さです。

理性における理解ということでは、違いはないのですが、その理解が腹の底にまで浸透しているかどうかは異なるのです。

一つ例を挙げるとすると、他人に対する客観的な理解度の違いです。「あの人は幸せに違いない」とか、「あの人は恵まれているので自分とは違う」という思い込みです。

どうしても、目に見える物質的なことが目立ってしまうので、そういう勘違いをしてしまうのですが、私たちは内面であるマインドに支配されているのです。

そのことを忘れてはいけません。どれほど物質的に豊かであろうと、多くの人に尊敬されようと、稀有な才能に恵まれていようと、社会で活躍していようと関係ありません。

人は自分の幸せアピールを怠らないので、それにも騙されてしまうかもしれません。けれども、その人が真に満たされているかどうかはひとえにマインドの状態にかかっているのです。

そしてそれは簡単には推しはかることはできないのです。もしもあなたが、幼い頃に親から酷い仕打ちを受けたとしたら、その親のマインドの奥にも似たような苦しみが隠れていると思って間違いありません。

自分以外の誰かのことを羨ましいと思うのは悪いことではないですが、相手のマインドの中を覗くこともできないのに、勝手な結論を出すのは馬鹿げたことです。

マインドのことを深く深く理解すれば、自分のことも他人のことも公平に見ることができるようになり、その結果心から幸せな人なんていないということにも気づけるのです。

幸せですか?と聞かれたら、一番正直な私の答えは、「不幸ではない」というものです。幸せなんて所詮は自我の幸福感なので、そんなものは吹けば飛ぶような怪しいものだと知っているからです。

自我とマインドへの理解をもっともっと深めていくことを、是非みなさんにはお願いしたいと思っています。

なぜなら、それができると自分を惨めな存在だと思っているバカバカしい思考が吹っ飛ぶことになり、もっと悠々とした人生を送れるようになるはずだからですね。