先月くらいから、生まれて初めて一軒家を建てるという作業に取り掛かっていて、それが案外大変な作業になっています。
新しい家に住めるのだからありがたいことだというのは分かっているのですが、注文住宅というのは何から何まで決めていかなければならないので、今後数ヶ月間はかなりエネルギーを使わされるかなと。
まだ始まったばかりなので、間取りをどうしようかというのを考えているのですが、それで気づいたのは、ある意味で妥協の連続なんだなと。
それこそ郊外の広々とした敷地に一軒家を立てるのでしたら、自由気ままに設計することができるかもしれませんが、現実はそうではないのです。
首都圏ともなると、狭い土地に隣家と隣接させて建てなければいけないので、建築基準法などであらゆる縛りがやってくるのです。
例えば誰もが知っている北側斜線。北側の隣家に南側から入る光を邪魔しないように、北側の屋根を斜めにカットしなければならないのです。
あるいは、部屋の一つひとつに対して、窓による彩光のルールが厳しく決まっていたりするのです。違反すれば、国の認可が降りなくなってしまうのです。
結局こちらを立てればあちらが立たず、のようなことが繰り返されて少し落ち込んだり、また気を取り直して向き合うと、今度は違うところで制限が発生する等々。
少なくとも、自分の希望が100%叶うなどということは絶対にないということを思い知らされました。
そんな中で、妥協妥協を繰り返してゴールに少しずつ近づいていく。なんだか人生そのもののような気がしています。
実は妥協というのは決して悪いことではなく、いつまでも頑強にこうでなければ嫌だ、とするよりも現実との仲を良くする上手な方法なのかもしれないと思っています。