変化を嫌う怪物たち

初めていらしたクライアントさんの中には、何回くらい通ったらいいのでしょうか?と質問される方がいらっしゃいます。

確かに、病気で病院に行ったときにどのくらいの期間で完治するのかを聞きたくなるのは、当然のことですね。

けれども、心の癒しについては10回通っていただいたら完治します、などと軽薄なことは言えないのです。

楽になっていくスピードも人によって様々ですし、あるいはどの程度良くなったら、もうセラピーはいらないと思えるのかも、人によって異なるのです。

もっと言えば、実は癒しに終わりはありません。クライアントさん自身が決めることなのです。なぜなら、クライアントさんのマインドは病気を患っているわけではないからです。

そして、クライアントさん自身も不思議に感じるかもしれませんが、もしもマインドの100%で癒しを進めたいと思うなら、たった一回のセラピーで事足りるのです。

なぜ簡単には癒しが進まないかというと、マインドの中に変化を嫌う怪物がウヨウヨいるからなのです。

怪物などと表現するのは可哀想なのですが、その腕力を知っているからこそモンスターだなと思ってしまうのです。

クライアントさんの自分を癒したいという理性とは裏腹に、左脳の大脳辺縁系の部分の細胞であるインナーチャイルドの部分は、癒されて自分が消えていくことを恐れているのです。

だから癒しに対して、命懸けで抵抗してくるのです。その力は半端ではないのです。それを何とかやり過ごしながら、少しずつ癒しを進めていくのがセラピーなんですね。