子供の頃から絵を描くのが苦手で、図工の時間はやる気がないので好きな時間ではありませんでした。今でもはっきり覚えています。
とにかく、白い画用紙に絵の具を塗っていくのに、白い部分が完全に無くなるまで塗る作業をやっていかなければならないのがしんどいのです。
幼稚園の頃は、そんなことは全く考えもせずにただ描こうとする物体の枠を線で描いて終わっていたので楽だったのです。
それが、急に年齢とともにそれではダメだということになって、白い部分が残ってしまうのはなにしろ幼い奴だとなったわけです。
それからというもの、誰かの絵画を観ても、よくぞ全部塗ったなあとそんな具にもつかないことばかり考えているのです。
そんな私が、ふと目の前に広がっている景色に対して、あれ白い部分が完全にないってすごいことだなと思うのです。これ、通じなくて大丈夫です。
こんなおバカな話は、よほど分かり合っている人にしかできません。ところが、最近ある人の動画の内容にドキッとさせられたのです。
それは、私たちが見ているこの世界、この景色は現実のものをそのまま見ているのではなく、現実をベースに無意識が作り上げた仮想世界を見せられているというのです。
それで直感的に、前述した画用紙の話を思いだしたのです。ああやっぱり、いつも自分が感じていること、よくまあこんなに緻密に景色を作ってるなあというのと合体したのです。
この世界、この景色を描いているのは自分だったのかって。そうしたら、よく頑張ってきたなと労いの言葉をかけたくなったというお話です。